佐世保線・有田駅 途中下車
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おすすめ度 ★★★(超おすすめ!)
訪問日 1998年4月30日
訪問記 ゴールデンウィークのイベントとして定着しているものの一つに、佐賀県有田の陶器市がある。例年4月29日から5月5日まで開かれており、多くの買い物客で賑わう。一度この陶器市へ行ってみたいと思い、4月29日、大阪駅21:10発佐世保行き寝台特急あかつきに乗車した。陶器市目当ての客で満席かと思われたが、意外や車内には空席が目立った。途中駅からの乗車があるのかと思ったが、それも大した人数ではなかった。まあ、GWとはいえ4月30日は平日であるしこんなものかと思う。舞子駅が近づくと通路側の窓から前方をうかがう。開通したばかりの明石海峡大橋が見えるはずである。電飾の曲線がこちらと対岸の淡路島をつないでいるのが見えた。他の乗客も同じように窓に顔を寄せてその光景を眺めていた。世界最長の吊り橋が放つ光はパールブリッジの愛称通り実に美しかった。

翌朝、6時頃目を覚ます。列車は鳥栖駅に着いたようだ。ここから長崎本線に入る。通路の収納椅子を倒して腰掛け、景色を眺める。私は夜行列車で迎える朝が好きだ。街も他の乗客もまだ寝静まっている早朝に、こうしてぼんやり景色を眺めていると、旅をしているという実感が涌いてくる。

肥前山口に到着。ここで列車は長崎行きと佐世保行きに分かれる。長崎行きを見送った後、佐世保行きも発車。ここを出ると後は武雄温泉、有田と停車するのみである。7:51有田到着。2〜30人位下車したから、それなりに利用はされているようである。

駅を出ると、まだ8時ということもあり店を開いているところはほとんどなかった。店が開くまでの時間潰しに陶山神社へ行ってみた。駅から歩いて15分ほどのところにある。ここは陶器でできた鳥居があることで有名である。今乗ってきた佐世保線の線路の向こう側に階段があって、それを登り切ったところに陶器の鳥居があった。鳥居はひびが入っていたりしてあまりきれいではなかったが、陶器の街にふさわしいシンボルだと思った。陶山神社へ往復している間に店も開きだした。それにしてもすさまじい数の陶器である。通りの両側にぎっしりと店が並んでいる。民家の塀の上や自動車整備場のような建物の中にも陶器が並べられていて、この街は一体どうなってしまっているのかとさえ思った。とにかく想像を超えていた。

何を買うという目当てもなかったが、とにかく会場を一通り見ておこうと思い通りを歩き出した。朝食がまだだったので何か買い食いしようと思ったが、その手の店がなくて困ってしまった。なにか珍しい食べ物でもあればと思ったが、当てが外れて結局コンビニでパンを買って食べた。歩き続けてとうとう隣の上有田駅に着いてしまった。その間出店がとぎれることはなかった。さすがに疲れてしまい、駅前のベンチに座ってしばらく立てなかった。

いつまでも座っているわけにもいかないので、来た道を引き返すことにした。買い物客の数もだいぶ増えてきた。ただ歩いていてもつまらないので、取りあえずコーヒーカップを探すことにした。以前萩を訪れたときにもコーヒーカップを買ったのだが、受け皿が割れてしまったのでその代わりがほしい。高い品物は買えないが、こだわりのあるものを選びたい。しかしいざ探すとなると、あまりの数の多さにとても選べるものではないことがわかった。時間もなくなってきたのでコーヒーカップを多く並べている店を一つ選んでそこにある中から決めることにした。自分用の1客だけを買うつもりだったが、小ぶりの2客1組のカップが目について気に入ったのでそれを購入した。2客で6,000円ほどだった。

焼き物好きの方にはたまらないイベントである。手頃な値段でこだわりの品を選べるのは魅力である。ただし十分な脚力がないとつらいでしょう。陶器市の時期を外して、落ち着いた有田の町並みを辿るのも趣があって良さそうだ。私もできればもう一度ゆっくり有田を訪れてみたいと思う。

おすすめの
ポイント
岡山以東の方で効率よく陶器市をまわりたいとお考えならば、私がしたように寝台特急あかつきで有田入りするのが時間の無駄がなくて混雑する前に品定めすることができるので良いと思う。あかつき以外にも特急みどり・ハウステンボスや臨時列車を利用して有田駅か上有田駅(陶器市開催中は特急の臨時停車がある)で下車するのがもっとも便利である。帰りの切符もあらかじめ用意しておけば無用な混雑に巻き込まれずにすむでしょう。
車での来場は駐車場が会場から離れた場所になることがあり、渋滞も予想されるので得策とは言えません。列車での来場をおすすめします。
データ 【有田駅】
松浦鉄道(旧国鉄松浦線)が乗り入れており、伊万里への移動も容易である。

【佐世保線】
肥前山口−佐世保間・48.8qを結ぶ幹線。かつては海軍の軍港があった佐世保と中央をつなぐ動脈として位置づけられ、その名残で今も寝台特急さくらとあかつきが乗り入れている。今では博多とハウステンボスをつなぐ路線と言った方が適切かもしれない。沿線には有田、武雄温泉といった観光資源に恵まれており、周辺人口も多いので列車利用客も多い。特急みどり・ハウステンボスが1時間に1往復している。

【追記】
2000年3月のダイヤ改正で寝台特急あかつきの佐世保線への乗り入れは廃止となり、長崎本線のみの運行となった。しかも、京都−門司間は彗星との併結となり、九州夜行の合理化が一段と進んだ。すでに99年10月に「さくら」の佐世保線の運転は廃止になっており、中央と佐世保を直結する列車は絶滅してしまった。(2000/04/30)

駅周辺の様子 駅前にはあまり商店はなかった。飲食店が少ないように思ったので、陶器市の期間中は弁当を持参したほうがいいかもしれません。と言っても弁当を広げられる場所もあまりなかったですが。
その他の情報
(観光情報)
【有田焼】
正直言って焼き物のことは詳しくないので、他のページを参照してください。有田周辺には有田ポーセリンパークをはじめとする展示施設がいくつもあるので、興味があればのぞいてみると良いでしょう。

【有田陶器市】
陶器市のホームページはこちら(
http://www.saganet.ne.jp/space/arita/)。

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