大回り乗車で自動改札を通れるか?-きっぷと改札の注意点[動画解説あり]

目次

はじめに-前提条件

このページは「紙のきっぷ」を利用する大回り乗車について解説します。ICカード乗車券(Suica、ICOCA等)を利用する大回り乗車のやり方は別ページで解説します。

当ページに記載の内容は、特に指定がない限り、2021年9月現在の情報です。

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大回り乗車のきっぷの買い方

大回り乗車で使うきっぷは、何も特別なものではありません。

乗る駅から降りる駅までのきっぷを自動券売機で買えば良いだけです。

回数券を利用することもできます。

自動券売機や発売窓口がない駅から乗車の場合は、乗車駅証明書または整理券をうけとって、下車するときに精算してください。

大回り乗車で使用したきっぷ。駅員に申し出て「使用済」の印を押していただいた▼

定期券で大回り乗車ができるか?

通勤定期券・通学定期券を使って大回り乗車ができる。〇か×か?

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定期券の場合は、定期券に記載されている経由区間のみ利用できるというルールになっています。

記載以外のコースを利用するのはルール違反となるため、大回り乗車のきっぷとしては通用しないということです。

つまり、定期券で大回り乗車はできません。

答えは、×です。

ICカード乗車券で大回り乗車ができるか?

ICOCA、PiTaPa などのICカード乗車券で大回り乗車ができる。〇か×か?

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最近は ICカード乗車券を使っている人の方が多いのではないかと思います。

そして、多くの方が、ICカード乗車券と紙のきっぷを同じように使えると思われているかもしれません。

しかし、それは誤解です!

実はICカード乗車券と紙のきっぷは全く別物なのです。

ICカード乗車券と紙のきっぷは、別々のルールが定められています。また、ICカード乗車券の場合は適用エリアが異なるため、紙のきっぷと同じ大回り乗車ができません。

ルールは一部共通するところがあるため、答えは、△とします。

大回り乗車をまだよくご存じでない方に、今この話をすると、話がこんがらがるので、ICカード乗車券の大回り乗車については別の回でくわしく解説いたします。

ICカード乗車券の大回り乗車はなにが違うのか

大回り乗車で、紙のきっぷを利用する場合と、ICカード乗車券を利用する場合の違いについて、簡単に触れておきます。

こちらはJR西日本のICOCAエリアの地図です。北陸、関西、中国地方と四国の一部も含んでいます▼

先ほど説明した大阪近郊区間よりも広大なエリアになっていますが、基本的にはこのエリアの中であれば ICカード乗車券で乗り降りすることができます。

一般的な乗車ではなく、大回り乗車で利用しようとする場合は、制限事項や考慮すべき注意点があります。

ICカード乗車券で通過できない区間がある

一例として、大阪近郊区間に含まれている加古川線の西脇市から谷川の区間は、ICOCAエリアに含まれていません。

この区間はICOCAなどのICカード乗車券を使って利用することができません。通過利用も認められていません。

もしこの区間をICOCAで乗ったとすると、厳密には乗車距離に応じた運賃を支払わなければならないことになりそうです。

紙のきっぷであれば、問題なくこの区間を通過することができます。

このような違いがあるため、まずは紙のきっぷの大回り乗車を理解するところからはじめてみてください。

大回り乗車に紙のきっぷをおすすめする理由

紙のきっぷを使うメリットとして、列車に乗車中に、車掌から「きっぷ拝見します」と言われた時に、紙のきっぷを見せれば、どこから乗ったのかが一目瞭然です。

旅程表とあわせて「大回り乗車しています」と伝えれば、車掌にすぐにわかってもらえます。

これがICカード乗車券だと、券面を見てもどこから乗ったかさっぱりわかりません。専用の読み取り機を使わないと乗車記録を読めないため、車掌・駅員の手間がかかってしまいます。

大回り乗車をする際は、なるべく駅員の手間にならないやり方で利用していただきたいので、紙のきっぷの利用をおすすめします。

大回り乗車のきっぷで自動改札機を通れるか?

大回り乗車をしたあと、自動改札機で出場はできない。〇か×か?

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これはケース・バイ・ケースとなります。

引っかかる時もあれば引っかからない時もあるのです。

よって、答えは、△といたします。

自動改札機に仕掛けられた罠

どういうことかと言うと、きっぷの運賃と、改札に入ってから出るまでの所要時間の関係によって対応が変わるようなのです。

あえてあいまいな言い方をしているのですが、なぜならこれは JRが不正乗車を防止するために仕掛けている罠ですので、

「ここに、こんな罠を仕掛けてますよ~!」

なんてことは教えてくれません。当然ですよね。

ですから、どんな条件で作動するのか、正確なことは知りようがないのです。

常識的に考えて、百数十円の近距離きっぷで長時間、改札の中で過ごしている人がいたら、不審に思われても仕方がありません。

そういう状況できっぷを自動改札機に通せば、ピンポン!とエラー音が鳴って、きっぷが弾き返されることがあります(100%ではありません)。

びっくりすると思いますが、慌てなくて大丈夫です。

有人改札に行って、駅員に「大回り乗車をしてました」と事情説明すれば通してもらえます。

ちなみに、紙のきっぷとICカード乗車券では、引っかかる条件が違うようです。

大都市近郊区間のエリアによっても対応が分かれるようです。

すべてのパターンを把握しきれないので、はっきりしたことはわかりません。

皆さんも何回か経験すれば、そのあたりの規則性や法則が見えてくるのではないかと思います。

予定外の駅で降りるときはどうすればいい?

大回り乗車中に予定外の駅で降りる場合は、乗り越し精算機で精算すればよい。〇か×か?

旅の途中で、気まぐれに予定外の駅で降りたくなったときや、急用ができて降りなくてはいけなくなったときは、どうしたらいいのでしょう?

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そういう時は、乗り越し精算機で精算すれば問題ありません。

答えは、〇です。

大回り乗車であるかどうかに関係なく、普通に途中駅で降りる場合と同じように乗り越し精算します。その場合、乗車駅から降車駅までの最短経路の運賃で精算されますのでご安心ください(大都市近郊区間内のみの乗車に適用)。

もし、乗り越し精算機がなければ、駅員に申し出て精算してもらいましょう。

大回り乗車の関所-中間改札とは

大回り乗車する際に知っておくべきものとして「中間改札」というものがあります。

中間改札とは、駅の外に出るための改札口ではなく、JR線同士の乗り換えにもかかわらず、そのあいだに改札口があるというものです。

大回り乗車の経路にある中間改札(乗り換え改札)としては、関西では加古川駅と和歌山駅、関東では鶴見駅にがあります。

大回り乗車で中間改札を通ろうとすると、たいていの場合、運賃不足ということでエラーになります。その時は有人改札で大回り乗車である事を申告すれば通してもらえます。

中間改札にいる駅員さんは慣れているので、大回り乗車と言えばすぐに理解してくれます。

加古川駅は、山陽本線と加古川線の乗り換え通路上にこのような改札口が設けられています。

和歌山駅は、阪和線・紀勢本線と和歌山線・和歌山市駅方面の乗り換えの際に、中間改札を通ります。

和歌山駅の中間改札には有人改札がないため、駅員が常駐していません。

大回り乗車の際は、改札機の横にあるインターホンを押して、カメラできっぷを確認してもらいます。問題なければ遠隔で自動改札機の扉をあけてくれます。

利用客が多い時間帯は、駅員が改札口のそばに立っていることがあるので、その時は駅員に直接申し出れば、手動で扉を開けて通してもらえます。

大回り乗車で使用したきっぷを持ち帰る方法

使用したきっぷを記念に持ち帰りたい場合、駅員にその旨を申し出れば、きっぷにパンチ穴を開けて「使用済」の印を押して返してもらえます(やり方は駅によって異なることがあります)。

たいていの場合、親切に対応してくれるはずですよ!

【まとめ】はじめての大回り乗車は紙のきっぷでチャレンジしよう!

ICカード乗車券をお持ちであっても、まずは紙のきっぷを使って大回り乗車をやってみてください。

旅程表(コース図)をあらかじめ用意して持参してください。

自動改札機は時間制限で通れないことがあります。

そういう仕組みだと知っていれば別に怖くありませんので、そのときは駅員がいる窓口へ行き、旅程表を見せて「大回り乗車してきました。」と伝えれば通してもらえますのでご安心ください。

動画解説「大回り乗車で使えるきっぷと改札の通り方」

動画を視聴できる方は、YouTubeでご覧ください▼

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