大回り乗車で絶対守るべき4つの基本ルール[動画解説あり]

目次

はじめに-前提条件

このページは「紙のきっぷ」を利用する大回り乗車について解説します。ICカード乗車券(Suica、ICOCA等)を利用する大回り乗車のやり方は別ページで解説します。

当ページに記載の内容は、特に指定がない限り、2021年9月現在の情報です。

大回り乗車の基本ルール

ここでは、大回り乗車をするうえで核となる、4つの基本ルールを順番に説明します。

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1.乗車経路が大都市近郊区間内のみであること

大都市近郊区間ってなんぞや?と思われるかもしれません。

こちらは大阪近郊区間と呼ばれるエリアです。

この地図のエリアの中では大回り乗車をしてもいいですよ、ということです。

逆にいうと、「大都市近郊区間内のみ」ですから、ここからはみ出したらダメ!ということです。

例えば、大阪から米原まで行き、さらに東へ名古屋から三重県に回って、柘植から大阪近郊区間に戻って帰ってくるというようなコースをとると、エリアをはみ出すのでルール違反です。

「大回り」と言うと、「紀勢本線一周してもいいんですか?」とか「四国一周とか九州一周とかもOKですか?」みたいに思われるかもしれません。

それは、一般的な言葉としての「大回り」ではありますが、ここで説明している大回り乗車とは全く別物です。

実際に乗った距離ぶんの運賃が必要になりますので、勘違いなさらないようにお願いします。

よくある間違い-大都市近郊区間をはみだす経路

尼崎から隣の立花まで行くきっぷ買いました。

実際に乗るのは、尼崎→福知山→和田山→姫路→立花というコースです。こういう乗り方は大回り乗車として大丈夫ですか、という質問をたびたび頂戴しています。

これは間違いです。

谷川から先の赤線で示したところが大阪近郊区間からはみ出していますから、これは大回り乗車ではありません。実際に乗った距離に応じた運賃を支払っていただくことになります。

大回り乗車を成立させるには、谷川から加古川線に乗り換えて、谷川→加古川→立花の順に乗ればOKです。

5つの大都市近郊区間

大阪近郊区間以外に、東京、新潟、仙台、福岡と、全国に5つの近郊区間がございます。

それぞれのエリア内では、同じ理屈で、遠回りをしても最短経路の運賃でOKです。

逆に言いますと、この五つのエリア以外に、大回り乗車できるエリアはございません。

例えば、名古屋近郊区間とか、札幌近郊区間とかいうエリアはございませんので、お間違いのないようにお願いします。

東京近郊区間の範囲

東京近郊区間は、福島県の浪江、千葉県の房総半島全域、上越線の水上、吾妻線の大前までもエリアに含まれています。

驚きなのが、中央東線を北上して長野県の松本までが東京近郊区間なのです。

非常に広大なエリアとなってますので、大回り乗車のルートが無数に考えられます。関東にお住いの方は、積極的に楽しんでみてはいかがでしょうか。

新潟近郊区間の範囲

新潟近郊区間は、東京近郊区間と比べると随分シンプルな路線網となっています。

大回りの経路は限られますが、このエリア内であれば遠回りをしても大丈夫です。

仙台近郊区間の範囲

仙台近郊区間は、福島、山形、宮城と岩手県の一部を含む、かなり広大なエリアになっています。

福岡近郊区間の範囲

九州には福岡近郊区間がございます。

博多から小倉に至る、北部九州エリアをカバーしています。

北九州の車窓なら、大回り乗車だけでも十分楽しむことができそうです。 

2.乗車駅と下車駅が同一でないこと

0の字の周回コースは大回り乗車ではありません。

大阪環状線で大阪駅から乗って、ぐるっと一周して大阪駅で降りるのは大回り乗車ではありません。

同じく、山手線で東京駅から乗って、ぐるっと回って東京駅で降りるのも大回り乗車ではありません。

必ず別の駅で乗降してください。

3.同じ駅を2回通らない一筆書きコース

6の字、9の字、8の字のようなコースだと、線が交わるところがあります。

交わっているところは同じところを2回通っていることになりますから、こういうコースは大回り乗車ではありません。

よくある間違い-経路が重複する場合

大阪環状線の西九条駅からユニバーサルシティ、桜島方面に向かう桜島線という短い支線があります。

大阪環状線に乗るついでに、大回り乗車の経路として桜島線を往復しようとしたら、これは NG です

なぜなら、西九条と桜島の間が重複しますし、西九条駅を2回通ることになります。

この乗り方をした場合は、乗車経路に応じた運賃を支払ってください。

よくある間違い-同じ駅を2回通る場合

こちらもよくいただく質問です。

大阪近郊区間の場合、尼崎駅の以西と以東をどうつなぐかがネックになります。

この例は、大阪から京橋までのきっぷを買って、実際に乗るのは大阪→尼崎→加古川→谷川→尼崎を通り、JR東西線経由で京橋まで行くコースです。

このコースで大丈夫でしょうか?という質問をいただくことが本当に多いんですが、図を見たらわかる通り、尼崎駅を2回通っているのでアウトです。

「同じ駅を2回通らない」の意味

同じ駅を2回通らない、という説明でわかってもらえると思ったのですが、

「ホームに降りないで通過するだけだったらノーカウントですよね?」

と聞かれたことが何度かあります。しかし、それは違います。

ホームに降りなくても、通過するだけであっても、その駅を通ったら一回カウントになります。

4.途中下車はできない

途中下車ができないのは、大回り乗車の一番残念なところです。

一旦改札に入ると、最終目的地の駅まで改札を出ることはできません。

無人駅なら途中下車できる?

無人駅であれば、大回り乗車中でも途中下車ができる。〇か×か?

無人駅は駅員がいないので、チェックする人がいないから降りても大丈夫じゃないか、という問いですが、どう思われますか?

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原則として、大回り乗車中に途中下車はできません。

無人駅を通る路線であれば、その列車内で運賃精算してから下車することになります。

つまり、列車の扉が改札口になるイメージです。扉を出た=改札を出たのと同じことになりますので、途中下車じゃなくて完全に下車する扱いになります。

ということで、答えは、×

一部の無人駅では、車内で精算せずに駅に置いてある運賃箱にきっぷを入れてくださいとか、自分で運賃表を見てお金を投入してくださいとかいう場合もあります。

悪い見方をすれば、誰も見てないから払ったふりをして通り抜けることは不可能ではないと思います。しかし、それは不正乗車ですから絶対にやってはいけません。もし抜き打ちで駅員が隠れていて見つかったら、当然、罰を受けることになります。

見られている、いないにかかわらず、不正は絶対にやめましょう。

列車内に設置されている運賃箱

列車の中に、路線バスで見かける形の運賃箱があります。

ここにお金を投入するときに、運転手または車掌が見てチェックをしています。

大回り乗車の核となる基本ルールは、以上の4点です。

言ってしまえば、大回り乗車のルールって、この4つしかありません。

これに則って行っていただければ、どなたでも、ほとんどのケースで問題なく大回り乗車をすることが可能です。

簡単ですよね!

とはいうものの、未経験者にはわかりにくいと思いますので簡単な練習問題をやってみましょう。

【演習問題】一筆書きのコースを考えよう

大阪から新大阪までの区間のきっぷを買って大回り乗車をします。

大阪駅から反対方向に、わざと遠回りするコースを考えてみてください。

今回は列車時刻を無視して、単純に「こういうコースはどうかな?」と想像力を働かせて、一筆書きのコースを考えてみて欲しいと思います。

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いかがでしたか? 大回り乗車のコースをたくさん見つけることができましたか?

理屈がわかればちっとも難しくないと思います。

次はあなたの最寄駅からのコースを考えてみてくださいね!

【まとめ】大回り乗車で絶対に守るべき基本ルールは4つだけ

動画解説「大回り乗車の基本ルールはたったの4つ!?」

動画を視聴できる方は、YouTubeでご覧ください▼

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