「駅そば」読本

「駅そば」にも愛好家がいる、ということは認識していたが…。なるほどこれも奥が深いマニアの世界なのだとこの本を読んでよくわかった。

乗りつぶしの旅と同じく、現地へ行かなければその駅のそばを味わうことはできない。これが駅弁だったら、邪道かもしれないが百貨店の駅弁大会や通販のお取り寄せで入手可能だろうが、そうはいかないのだから。ましてや、どこの駅に「駅そば」があるのかという情報もネット時代の今でもなかなか入手しづらいのではないか。著者の定義による「駅舎外の店」まで含めると捜索範囲はかなり広がってしまう。でも、だからこそ、店を探して、見つけて、賞味できた時の感動は大きいことだろう。

麺、つゆ、トッピング、薬味のウンチクに始まり、器や割り箸、店の形状、立地場所に至る考察も行き届いている。その土地の名物の具材を使っているということでなく、ただの「かけそば」であっても十分に旅情を感じることができるのだと教えられた。時間がないとき、お金がないときの「間に合わせ」で駅そばを食していたのは実に「もったいない」ことなのだと考えを新たにした。

ここで私の駅そばにまつわる話。

この本にも簡単に紹介されているが、スチロール製の使い捨て容器で車内に持ち込みできるそばを提供している駅そば店がまれにある。私もそのようなスタイルで列車の中でそばを食べたことが一度だけあるのだが、あれは何駅だったのだろう。思い出したいのだが記憶の断片すら残っていない。

かつては料金の支払いはカウンターで注文したものを受け取る際に渡すのが当たり前だったが、今では最初に券売機で食券を買うのが主流となっている。券売機が普及しだした頃はつい習慣で直接カウンターに行って注文してしまい、店員につれなく「食券買ってください。」と言われてしまう失敗をよくした。最近は「券売機はどこ?」と探し回ったら直接注文すればいい店とわかって苦笑することも。

小さなことだけど駅そばに関するエピソードもいろいろあるものだ。テツ旅に欠かせないアイテムであることは間違いない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました