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北陸鉄道・加賀一の宮駅の最終日に立ち会う|2009年10月31日

 2009/11/08 乗り尽くし紀行 北陸
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加賀一の宮駅、最後の日

2009年10月31日(土)~11月1日(日)に、1泊2日で金沢を旅行してきました。ただし普通の観光旅行ではありません。10月31日で廃止となる北陸鉄道石川線・鶴来~加賀一の宮間に乗車することが旅の目的です。

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高速道路1000円にはかなわない

北陸鉄道石川線の鶴来~加賀一の宮間 2.1kmが10月31日をもって廃止になることを知ったのは直前の9月だった。鉄道全線乗り潰しをライフワークにしていながら情報が遅いのは相変わらずだが、廃止前に気づいてよかった。鉄道ファンとしては当然『雷鳥』か『サンダーバード』、あるいは鈍行列車で金沢へ行くはずですが、単純に料金を比較すると高速道路1000円はやはり魅力的…。あっさり魂を売ってしまいました。

大阪から金沢なら最悪でも日帰りでいけないことも無いが、できれば1泊はしたいもの。しっぽり温泉にでも浸かりたいと楽天トラベルを検索してみたが、、、うーん、すでに予約が埋まっていたり値段がべらぼうに高かったりで希望にかなう宿は見つからなかった。それなら思いっきりリーズナブルにと金沢市内のビジネスホテルを検索すると一人5000円未満の手ごろな宿がいくつも見つかった。そんななか目に留まったのが兼六園に一番近いという「兼六城下町」というホテル。素泊まりなら6000円ほど、食事をつけても11500円。口コミの評価も高かったのでここに決めた。

軽自動車で長距離高速ドライブ(大阪⇒金沢)

10月31日、6時30分出発。名神高速は早朝から車の量が多くて、電光掲示板が京都付近で渋滞していることを告げている。京滋バイパスで迂回しようとしたが大山崎JCTで若干渋滞。でもそこを抜けたらもう渋滞に捕まることは無かった。

愛車のスバル・ステラでの遠出は8月に敦賀の花火大会へ行って以来。なんだか走りが重い感じがしたので草津PAのガソリンスタンドでタイヤの空気圧を上げてもらったら気にならなくなった。どうもこの車のタイヤは空気が抜けるのが早い。前に点検のときにスバルの整備士さんにそのことを話したら1ヶ月位で空気圧が下がるのは別に異常ではなく、定期的に空気圧をチェックするようにといわれた。確かに自転車だって定期的に空気を入れてやらないとダメなんだから車のタイヤも同じことだろう。でも今まで乗ってきたヴィヴィオ、インプレッサワゴン、フォレスターでは空気圧なんて気にしたことが無かったんだけどなぁ~。

北陸道に入ると交通量がめっきり少なくなった。ステラでの高速走行も慣れたので普通車と同じ感覚でドライブできる。調子に乗って追い越しをかけていると結構なスピードが出ていて驚くことも…。今の軽自動車のレベルの高さを実感する(当然、普通車と同等ではありませんよ。念のため)。

杉津PAで奥さんにハンドルを交代。1年前までペーパードライバーだったのがウソみたいに運転が上達しているので安心して任せられる。軽自動車で練習させてよかったと実感。けれど名神高速は怖いのでまだ運転したくないという。自分のペースで走りにくいし、運転マナーが悪い輩もいるから気後れするのも仕方がないと思う。

尼御前SAで再び交代し、小松ICで降りて北陸鉄道の鶴来駅へ。4時間もあれば余裕で着けるだろうと思っていたのだが時計はすでに11時を回っていた。

tsurugi

鉄道ファンのアドレナリン全開!?

鉄道に興味がない人には知らない世界だと思うので説明しておくと、ある鉄道が廃止になると決まると全国からたくさんの鉄道ファンが名残を惜しんでその鉄道に乗りに来たり写真撮影に来たりするので、にわかにその周辺が観光地化します。最終日ともなればそれはもう最高潮。その日は鉄道ファンだけでなく地元の人たちにとってもその鉄道に乗れるラストチャンスになるわけですから相当な混雑になります。

廃止となる線路脇には立派なカメラを携えて列車を狙う撮りテツの姿が鈴なりになっていた。加賀一の宮駅の前を車で通り過ぎて、すぐ近くにある白山比め神社の駐車場に駐車した。駅へ向かう前に、せっかくなのでその白山比め神社を参拝することに。神社特有の荘厳な雰囲気を感じながら坂道を登って境内へ。お参りしてから山のほうを見遣ると秋晴れの空にパラグライダーが飛んでいるのが見えた。

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加賀一の宮駅に到着すると、ちょうど発車時刻が迫っているらしく「乗車される方は急いで乗ってください」と促された。駅周辺の写真を撮ろうと思っていたのだが、またこの駅に戻ってくるので撮影を後回しにして列車に乗り込んだ。

加賀一の宮駅にて

普段の利用客数は5人程度らしいが、2両の列車はちょっとしたラッシュ並みに混雑している。特に運転席後ろには人だかりができていた。古びた車両、小刻みにレールを刻む音、電子音ではないカンカンカンという踏み切りの警報音。車掌(北鉄ではアテンダントと呼んでいる)が切符にハサミを入れる光景もすっかりお目にかかれなくなったがここでは今も現役だ。

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終点の野町駅に到着。下車する乗客の多くが「(記念に)切符をもらってもいいですか?」と係員にたずねている。「どうぞポケットに入れてください」と答えている声がやさしかった。

野町駅から近江町市場へ

野町駅は北陸鉄道石川線の金沢側のターミナルのはずだが、表通りから引っ込んだところにあって、駅前にはショッピングセンターどころかスーパーもコンビニも見当たらない。バスのロータリーは整備されているものの出入りするバスの姿も無くて次のバスもすぐに来そうになかった。

7年前に一度だけ野町駅へ来たことがあったのでその記憶を頼りに表通りにある「野町」バス停へ歩いていった。程なくやってきた金沢駅行きのバスに乗り込み、金沢の中心街である香林坊を経由して武蔵が辻バス停で下車。ここには”金沢の台所”と称される近江町市場がある。お目当ては、市場にある食堂で日本海の海の幸をいただこうという魂胆である。市場に隣接する一軒『近江町食堂』に入る。14時近くでお昼時のピークは過ぎていたが15分ほど待って席に着くことができた。さすがに魚のメニューが多い。ボリュームたっぷりの海鮮丼もおいしそうだが普通の煮付けも食欲をそそられる。迷った結果、『近江町定食』というお刺身メインの定食に。魚がおいしいのは言うまでも無いが、頼んでも無いのにご飯大盛りで満腹!大満足!でした。

新装なった金沢駅と北陸鉄道・浅野川線

武蔵が辻から再びバスに乗って金沢駅へ。駅へ近づくと、巨大なガラスドームが出現。北陸随一の街の玄関口として、そして、やがて開通するであろう北陸新幹線の停車駅として装いを一新していた。

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JRではなく北陸鉄道の金沢駅へ。改札口・ホームは地下にある。こちらもきれいに整備されていて洗練された印象だが、停車しているのはオレンジ色のマスクが特徴的なやや古びた2両編成の列車。ここから出ている浅野川線で終着の内灘まで往復する。片道17分の乗車、内灘で7分の停車ののち同じ列車で金沢まで戻った。これにて北陸鉄道全線完乗達成!!

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加賀一の宮駅へ帰る

金沢から一駅だけJRに乗車して西金沢駅へ。ここで北鉄石川線・新西金沢駅へ乗り換え。16時を過ぎて秋の太陽はもう随分低いところに移動している。強烈な西日を浴びながら列車は淡々と走っている。今日3度目の鶴来駅に到着。ここから多くの乗客が乗り込み、それぞれ思い思いに列車の感触を心に刻んでいる。終点に到着する前にアテンダント(車掌)から車内の乗客に向けて「82年間のご利用ありがとうございました。」という言葉があり、一礼された。今日はじめて北陸鉄道に乗車した私も感慨深いものがありました。

加賀一の宮駅はホーム上はもちろんのこと、駅の中も外も人であふれていた。夕方17時を過ぎてあたりは暗くなり始めた。完全に暗くなってしまう前に今朝撮り損ねた駅周辺の写真をカメラに収めるべく、奥さん放ったらかしで撮影にいそしむ。何回シャッターを押したかわからないが、いくら撮ってもキリがない。22時3分発の最終列車を見送ることなく加賀一の宮駅を跡にした。

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翌日、ホテルのサービスでもらった北国新聞の朝刊に最終列車の様子が写真とともに掲載されていた。盛大に見送られたようで安堵した。しかし、その記事の一隅に、「今回の区間廃止は北鉄が石川線全線廃止に踏み切る序章との見方もある」という記述を見つけて複雑な気持ちになった。そうなってほしくはないが、そうなる可能性は高いだろうと考えざるを得ない。金沢市内は北陸バスの往来が頻繁だった。北陸鉄道としてはバス事業に資源を集中させたいのが本音ではないだろうか?今後の行方が気掛かりです。

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ライター紹介 ライター一覧

溝口光徳

溝口光徳

1971年1月生まれ、大阪府在住の鉄ちゃんです。少ない休日に一つでも多くの鉄道路線に乗る方法として、いわゆる盲腸線(行き止まりの路線)の終点からバスや船を利用して他の路線につなぐ「抜け道探し」に夢中になり、いつしか「抜け道探し」とその踏破が旅の主目的に。
1999年にウェブサイト『終着駅のない旅』を開設。2004年にJR全線完全乗車達成。現在はJR以外の鉄道全線完乗を目指して活動中。2016年からJR全線乗りつぶし・2周目を開始。