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2時間半の車窓劇場 『東海道”雪見”新幹線』

 2011/02/11 乗り尽くし紀行
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2011年1月29日(土)
のぞみ112号 京都8:32発--→東京10:53着

久しぶりの東京出張(正確には茨城県ですが…)

頻繁に出張があった頃は「新幹線もう飽きた~」とか、「2時間半も、シンドイわ~」などと、ゼイタクなことを言ってたものですが、なくなってしまうと恋しくなる。我ながら誠に身勝手(爆)

京都を出て、滋賀県に入ると左手遠くに比良山系が雪化粧しているのが見えた。昨夏涼みに訪れた蓬莱山上のびわ湖バレイも十分な積雪を得てたくさんのスキー客でにぎわっていることだろう。

米原に近づくにつれ車窓近くの田畑や斜面の陰に白いものが見え始めた。京都駅のキオスクで買ったメロンパンを食べようと視線を外した隙に、あたり一面真っ白になっていた。この冬初めて見る銀世界に子供のようにうれしくなる。豪雪に苦しんでいる人々に言わせれば「何を呑気な!」と呆れるだろうが、太平洋側に住んでいる者にとって雪はスペシャルな空からの贈り物だ。外は身も凍る寒さに違いないが、車内は暖かく快適。雪見新幹線で味わうホットコーヒーはいつも以上に温かく感じて、つい笑顔になる。

米原駅を通過すると伊吹山の登場だ。台形状のどっしりした山。新幹線の車窓からはドーンと大きく間近に見える。日本の東西の分かれ目は関ヶ原だとよくいわれるが、目に見える標識としては伊吹山だと勝手に思っている。この山を過ぎると「関西から抜け出した」とか「帰ってきた」と無意識に感じるのです。

A席の自席からE席の車窓を窺う。今日はあいにく雲が多くて伊吹の山容は望めなかった。外は相変わらず真っ白だが雪は止んでいる。のぞみ112号はフルスピードで関ヶ原を抜けて行きそうだ。

残りのパンを口に運んでいると、陽光で窓が光った。景色は茶や緑に一変していた。ほんの20分のあいだにこんなに眺めが変わるとは! 高速鉄道ならではのダイナミックさといえよう。

快晴の東海道を東上

名古屋を過ぎると天気は快晴。太陽が眩しい。ブラインドを下ろすけれど半分開けておく。A席の車窓からは三河湾、浜名湖、遠州灘の水面がキラキラ輝いているのが見えた。出張だけど気分は”遠足”。鉄道はやっぱり楽しい。そして、右前方に冠雪の富士山が堂々のお出ましだ。日本人なら誰もがイメージする通りの姿。美しい。携帯電話をいじったり音楽プレーヤーに耳を傾けていた人たちも窓外に視線を向ける。いつも目にする光景ながら、日本人だなあと思う。

「小田原駅を時刻通り通過しました。およそ10分で新横浜に到着します。」

淡々としたアナウンスだが、誇らしげに聞こえるのは私だけだろうか。列車は事もなげに、定刻通り東京駅に滑り込んだ。

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ライター紹介 ライター一覧

溝口光徳

溝口光徳

1971年1月生まれ、大阪府在住の鉄ちゃんです。少ない休日に一つでも多くの鉄道路線に乗る方法として、いわゆる盲腸線(行き止まりの路線)の終点からバスや船を利用して他の路線につなぐ「抜け道探し」に夢中になり、いつしか「抜け道探し」とその踏破が旅の主目的に。
1999年にウェブサイト『終着駅のない旅』を開設。2004年にJR全線完全乗車達成。現在はJR以外の鉄道全線完乗を目指して活動中。2016年からJR全線乗りつぶし・2周目を開始。