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第4節 − もうひとつの大湿原/霧多布湿原
湿原の奥へと延びる遊歩道。
途中まで歩いてみましたが、
ゴールが見えないので
仕方なく引き返しました。
【一】 知ってましたか?霧多布湿原
北海道には素晴らしい自然が当たり前のように残っていて、有名な観光地だけでも数え上げればキリが無いほどです。そんななか、道東に霧多布湿原という大湿原があります。湿原というと釧路湿原ばかりが注目されがちですが、こちらは海に近いロケーションで、湿原と太平洋を同時に眺めることができます。あのムツゴロウさんの動物王国にも程近いといえばなんだか期待が高まりますね。ただし、残念ながら動物王国の見学はできないそうです。
【二】 霧多布・東の入口〜浜中駅
霧多布へのアプローチは釧路、厚岸からのバスを利用するか、浜中から霧多布温泉行きのバスを利用するかの2方向から入ることができます。1998年8月11日。札幌からの夜行特急おおぞら13号で釧路に到着した私は、釧路→根室→納沙布岬→根室→浜中という順路で北海道最東端を巡ってきました。11時36分浜中到着。次の霧多布温泉行きのバスまで50分の待ち時間が有るので駅前の食堂で昼食を摂るつもりにしていた。しかし駅前には店なんて一軒もなかった!昼食を心待ちにしていた私はショックで放心しかけたが、辻を3つほど歩いたところで「ラーメン」というノボリがはためいているのが見えた。表通りからひとつ裏手に入ったところにあったその店はラーメン屋ではなくスナックと言った方が適切な店の造りだったが、注文した定食は良心的な価格で美味しかった。
【三】 湿原を歩いてみよう! 広い湿原に触れるにはバスを降りて歩いてみるのが一番です。湿原の入り口辺りのバス停で降りて、5kmほど先にある琵琶瀬展望台まで歩くことにしました。進行方向右側には湿原が広がり、左側は琵琶瀬湾の浜辺です。右に行ったり左に行ったりしながら両方の風景を楽しむことができました。
霧多布は動植物が豊かなことで有名だそうですが、花を楽しむのであれば6〜7月がベストシーズンのようです。
見晴らしの良い景色が広がり、気分爽快です!浜辺には一面に昆布が干してあったり漁網が広げてあったりして漁業が盛んなことがうかがえます。思い返してみると観光バスや観光客の姿をほとんど見かけませんでした。静かに旅を楽しみたい方にはオススメです。
浜辺が途切れると、琵琶瀬港の漁港があり、湿原を蛇行して流れてきた琵琶瀬川が海へと注いでいます。左の写真は琵琶瀬港から坂道を登った丘の上から撮影した霧多布湿原(河口付近)です。 上の写真の反対側には太平洋が広がります。5kmの道のりを2時間かけて歩いて琵琶瀬展望台に到着です。気持ちの良いお天気と海からの爽やかな風、そして素晴らしい景色のおかげで歩くのが全然苦になりませんでした。展望台の売店で地元の牧場で生産された牛乳を買ってのどをうるおした。そういえば道中お店が2、3軒しかなかったので飲み物くらいは用意したほうがいいです。自動販売機もなかったハズ。そういう日ごろ目にしているものが無いというのもまた新鮮です。 展望台付近には馬が放牧されています。厚岸行きのバスが来るまでの間も湿原を眺めたり海を眺めたりしていたら、あっという間に時間が過ぎていました。
【四】 未踏の地がある限り・・・
厚岸行きのバスに乗り込んだ。車窓には相変わらず太平洋が貼りついている。途中、あやめが原、愛冠岬といった景勝地がありますが寄り道する時間がなく次回にお預けとなりました。あわただしくこの地を離れなければならないのが惜しいと思った。でも、もっと時間があったならばもっとゆっくり旅行するかと言うと、多分答えは“No!”でしょう。きっと他の未踏の地へと足を運ぶことでしょう。鉄道だけでもまだまだ乗っていない路線がありますが、路線バスやバスすら通っていない地域のほうが遥かに多いわけですから、旅のネタは尽きる事がありません。だからまた飽きもせず旅に出たくなるのです。