2016年12月にオープンした「トレインホステル北斗星」は、人気だった寝台特急「北斗星」の実車パーツを再利用し、往年の寝台列車の雰囲気を体験できる宿泊施設です。すでに泊ったという鉄道ファンも多いと思います。筆者もオープン直後とその1年後の2回利用しました。まだ泊ったことがない方、宿泊検討中の方のために、私が感じた良かった点と残念だった点をお伝えします。
TRAIN HOSTEL 北斗星とは
TRAIN HOSTEL 北斗星(トレインホステルほくとせい)は、寝台特急「北斗星」をイメージしたドミトリータイプ(相部屋)の宿泊施設です。
北斗星で使われていた本物のパーツを使用し、懐かしい寝台列車の雰囲気をビルの中に再現しています。
かつてのA個室寝台は「ドミトリーA個室(半個室)」、B寝台は「ドミトリー2段ベッド」として生まれ変わりました。
出典:TRAIN HOSTEL 北斗星
上の写真は「ドミトリーA個室(半個室)」。デスクと椅子を備えています。
出典:TRAIN HOSTEL 北斗星
もうひとつの写真は「ドミトリー2段ベッド」。見覚えがあるB寝台の2段ベットと開閉式のハシゴがあります。
トレインホステル北斗星の場所
東京都中央区日本橋馬喰町1-10-12
交通アクセス
- JR総武線快速「馬喰町駅」4番出口直結
- 都営浅草線「東日本橋駅」B4出口より徒歩3分
- 都営新宿線「馬喰横山駅」A1出口より徒歩3分
- JR総武線/都営浅草線「浅草橋駅」西口1番出口より徒歩8分
- 東京メトロ日比谷線「小伝馬町駅」1番出口より徒歩8分
トレインホステル北斗星の良い点
鉄道ファンにはたまらない仕掛けの数々
北斗星のヘッドマークがお出迎え。
駅の窓口を思わせるフロント。
「3号車」ではなくて「3階」だけど、列車の中にいるみたい。
客室の見取り図。寝台のマークがたまりません。
2階の共用スペースには「GRAND CHARIOT(グランシャリオ)」のレリーフが。
これも懐かしい補助椅子。
このように、随所に鉄道ファンの琴線をくすぐる仕掛けがあって、思わず頬がゆるみます。
宿泊施設として改良されている
見た目はかつての寝台列車を彷彿とさせますが、宿泊施設としてオープンするにあたり改良されている点があります。
私が利用した「ドミトリー2段ベッド」についてみていきます。
布団と枕はフカフカの厚手のものが用意されています。
寝台列車の完全コピーを求める人には不評みたいですが、寝心地は良好で、起きたときに体が痛いことはありませんでした。
スマートフォンなどの充電に便利なコンセントが2個用意されています。
ベッドの幅は10cm拡大して80cmになりました。
カーテンを閉めるとこの通り。広い感じではありません(笑)
馬喰町駅・4番出口から徒歩0分
地下にあるJR総武快速線・馬喰町駅から4番出口を上がってすぐのところにあります。
となりにコンビニ(セブンイレブン)があるので、なにかと便利です。
東京都心とは思えない超格安の宿泊料金
玄関前からスカイツリーが見える
東京駅から馬喰町駅へは総武線快速でたった8分という都心部にありながら、最安値だと1泊2千円を切る価格で泊まることができます。
他のドミトリータイプの宿と比較しても、抜群の安さです。
B寝台料金が6千円だったことを思えば破格値といえますね(笑)
私が感じたトレインホステル北斗星の残念な点
トレインホステル北斗星は、寝台列車の雰囲気をよく再現しているということで、その点を称賛したニュース記事を多く見かけます。
しかし、純粋に宿泊施設としてみた場合に、私が残念だと感じた点を挙げてみます。
「走らない寝台列車」は周囲の音が気になる
本物の寝台列車の場合は走行音が大きいので、周りの乗客が動いている音や話し声はあまり気にならなかったと思います。
しかし、ビルの中の静かな室内だと、チャックの開閉音や衣擦れの音でさえ、離れていても聞こえてしまいます。
イビキが大きい人がいたら困りものですね。
表通りのクルマの音が気になる
同じく音に関する問題ですが、大通りに面しているので、窓に近いベッドだと外のクルマの音が結構聞こえます。
神経質な人は落ち着かないかもしれません。
もし空きがあれば窓から離れたベッドに変えてもらいましょう。
空調を自分好みに調整できない
寝台列車と同様ですが、大勢が相部屋となるドミトリーでは、室温などを自分好みに変えられません。
私が1回目(冬)に宿泊したときは、ベッドの上段だったこともあり、暖気が天井付近に溜まって暑苦しかったです。
2回目(冬)も上段でしたが、今度は暖房が弱かったせいか肌寒く感じました。
布団に入ったらちょうどよい暖かさになったのですが、自分好みの温度にエアコンを調整できないのは不便です。
砂漠並みに乾燥した部屋
空調と言えばもう一点。
部屋の中がものすごく乾燥しています。
加湿器が1台置いてあったのですが、エアコンつけっぱなしの広い部屋には無力みたいです。
せめてもの抵抗で、寝る前にタオルを濡らしてハンガーに掛けたのですが、夜中に目を覚ました時にはバリバリに乾いていました。
のどもカラカラで、あわてて自販機に水を買いに行って一気に飲み干したほどです。
のどが弱い人にはダメージが大きいと思います。マスクをつけて寝るなどの自衛策をおすすめします。
収納スペースが少ない
各フロアの入口にはカギ付きロッカーが置いてあり、一人一区画ずつ割り当てられています。
このロッカーは貴重品入れ程度の大きさで、カバンなどを丸ごと入れることはできません。
ベッド上には網棚などがないので、大きな荷物は床に置くかベッドの片隅に置くしかありません。
フロントで預かってもらうこともできますが、何かある都度フロントへ行くのは面倒なので、各フロアに荷物ロッカーがあればありがたいと思います。
わかりにくい暗証番号錠
各フロアの入口は、部外者が入れないように暗証番号式のカギが取り付けられています。
宿泊者には暗証番号が書かれた紙が渡されるのですが、アナログな押ボタン式のカギなので、慣れてないと戸惑います。
一度やれば覚えるのですが、毎回うまくいくかドキドキします(私が不器用なだけですが)。
ホステルのサービスをわかっていない宿泊客がいる
これはトレインホステル北斗星が悪いのではないですが、ホステルのサービスをわかっていない宿泊客がいて、フロントに大声で苦情を言っているのを目撃しました。
値段相応のサービスであることを理解したうえで、気持ちよく利用してもらいたいですね。
トレインホステル北斗星はリピートしたくなる宿か?
トレインホステル北斗星の残念な点をあえて書きましたが、超格安の宿泊料金であることを前提にすれば、宿泊を敬遠するほどではないと思っています。
ただし、次のような人はトレインホステル北斗星への宿泊を見送った方がよいでしょう。
- 寝台列車に興味がない人
- ドミトリー(相部屋)タイプの宿に慣れていない人
- 潔癖症や神経質な人
- 乾燥肌やのどが弱い人
価格の安さだけにつられて宿泊すると、きっとガッカリすると思います。
そうでない人は、ぜひリピートしてくださいね!
私もこれから何度かお世話になりそうです(笑)
▼Train Hostel 北斗星と同じ系列のホステルです。
IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchenを予約する
寝台列車の内装ではありませんが、北斗星が満室の時はチェックしてみてください。馬喰町駅・馬喰横山駅・東日本橋駅の近くです。
トレインホステル北斗星をビジネス出張で利用できるか?
トレインホステル北斗星は東京都心にありながら超格安で宿泊できるので、地方から東京へ出張するビジネスマンの宿泊先としても魅力的です。
一般的な企業の社員であればビジネスホテルを利用すると思いますが、中小零細企業や個人事業主だと出張旅費を1円でも削りたいのが本音でしょう。
とはいっても、ゆっくり休めず疲れを翌日に持ち越すようではいけませんし、ビジネスならではの心配ごとがあります。
例えば、
[surfing_su_list_detail icon=”icon: exclamation-circle” icon_color=”#ff7802″ size=”22″]相部屋のため盗難リスクがある(仕事関係の書類や金銭を安心して置いておけない)
ベッドや共用スペースで仕事をするのは実質不可能
スーツやコートを掛ける十分な場所がない[/surfing_su_list_detail]
上記の問題が特にないのであれば、出張での利用はアリだと思います。
そうでなければ、価格が高くても保険だと思って、普通のビジネスホテルに泊る方がいいでしょう。
東京都心の安価なビジネスホテル
東京都心だとなかなか安いホテルがありませんが、早期予約割引や直前割引などがある宿を見つけたら、満室になる前に速攻で予約しましょう!
ホステル以上・ビジネスホテル未満で使い勝手がいいカプセルホテル
ホステル(ドミトリー)と似た形態の宿泊施設としてカプセルホテルがあります。
カプセルホテルの場合、カプセルの入り口はカーテンですが、それ以外は壁で仕切られているのである程度はプライバシーが保てます。
室内に収納式のテーブルが用意されている場合も多く、ちょっとしたパソコン仕事なら可能です。
各カプセルにテレビが付いていたり、大浴場やマンガ・雑誌などが豊富な共用スペースがある施設も多く、ひとりで過ごすのに不自由することはありません。
男性専用の施設をよく見かけますが、最近は女性専用フロアを設けているところも増えています。
ホステルよりも価格が高めなのが難点ですが、それでも男女問わずリーズナブルに利用できるので、ひとり旅やビジネス出張におすすめです。
東京都心でおすすめのカプセルホテル
最近は高級感をうたったカプセルホテルが増えて価格が上昇気味ですが、新しい施設だと気持ち良く泊まれることは確かです。
お財布と相談のうえで、あなたに最適なカプセルホテルをみつけてください。
FIRST CABIN(ファーストキャビン)日本橋よこやま町の価格を調べる
GLANSIT AKIHABARA(グランジット 秋葉原)の価格を調べる
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まとめ
トレインホステル北斗星は鉄道ファンにはたまらない寝台列車の内装で、しかも東京都心に超格安で泊まれるドミトリータイプの宿泊施設です。寝台列車に興味がない人には好みが分かれるところですが、宿泊価格が高騰している東京でお財布にやさしく泊まれるのはうれしいポイントです。一般的なビジネスホテルとサービスレベルが違うことを理解したうえで、上手に利用してみてください。
ホステル(ドミトリー)タイプの宿が苦手な方は、ビジネスホテルやカプセルホテルがおすすめです。自分の好みにあった宿泊先を探して、手軽に東京を楽しんでくださいね!