鉄道旅行のしおり

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旅先での失敗談

何度も旅をしていると、うっかりミスを犯したり思わぬトラブルに遭遇したりすることがあります。思い出すと恥ずかしい話ばかりですが、これをご覧の皆さんの「転ばぬ先の杖」になればと思い、私の失敗談・体験談をご紹介することにしました。

 

【1】 飛び乗った列車が反対方向へ出発!

99年に伯備線・木次線の乗りつぶしへ出かけたときのこと。大阪から姫路まで新快速に乗車し、姫路から岡山行きの普通列車に乗り継ぐ予定でした。姫路駅到着前に乗り換えの案内放送があり、「次の岡山行きは向かいのホームの電車にお乗り換えください」というアナウンスがあった。到着すると確かに同じホームの向かい側に電車が停車している。アナウンスどおりなので何の疑問も持たず乗車した。定刻どおり数分の待ち合わせの後、ドアが閉まった。ところが、列車は今来た方向へ動き出すではないか!どうやら「向かいのホーム」とは「隣のホーム」を指していたらしい。私のほかにも「あっ!」という声を上げている人がいたから、私一人の聞き間違いではなかったようである。仕方なく次の御着駅で下車して引き返し、2時間遅れで岡山に到着した。その後、遅れを取り戻すため特急やくもで米子へ向かった。予定外の出費を強いられた。不適切なアナウンスが一番の問題だと思うが、知らない駅では念入りに行先を確認すべきだという教訓になった。

 

【2】 お忘れ物にご注意下さい

通勤で毎日電車に乗っていますが、毎日毎日耳にタコができるほど同じ車内アナウンスを聞かされます。一番多いのは「お忘れ物にご注意下さい」というアナウンスでしょう。「言われなくてもわかってるよ!」と思っていたはずなのに、やってしまいました。それも北海道・網走で・・・。

98年の夏、初めての北海道旅行を楽しんでいたときのことです。旅行5日目の知床観光を終えて夕刻に知床斜里駅へ戻ってきました。その夜の網走発札幌行きの特急オホーツク10号に乗車するため網走へ向かうのですが、釧網本線の列車の待ち時間が長いため路線バスで網走へ行くことにしました。このバスは網走への直行便ではなく、途中の18線というバス停で網走行きの別のバスに乗り換えるというダイヤになっていました。定刻どおり18線のバス停に到着し、すぐ後ろに網走行きのバスが停車しました。外は雨で、ここまでの運賃を払うと走って後ろのバスへ乗りこみました。無事乗り換えできてやれやれと思い、ボーっと外の景色を眺めていました。

しばらくたってから、ふと持ち物を確認してみたらウェストポーチが腰についていないことに気づいた。おそらく最初のバスに乗りこんだときに無意識に外してしまい、外した事を忘れて席を立ってしまったのだろう。そのウェストポーチには周遊きっぷ、帰りの飛行機のチケット、デジカメなど大事なものばかり入れてあったからさあ大変!顔面蒼白になった。バスの運転手さんにお願いしてさっきのバスの運転手さんに連絡を取ってもらえば、もしかしたら探してくれるかもしれない。しかし、バスは一直線の道を快調に走りつづけている。運転中に話し掛けるのはどうかと思い、次に停車したときに声を掛けようと思ったのだが一向に止まるタイミングがない。北浜駅の近くでようやく停車し、そこで事情を説明して無線で連絡を取ってもらった。とりあえず網走バスターミナルまで行って連絡を待つように手配してもらった。幸いウェストポーチは車内に残っているのが見つかり、バスの営業所の方が網走まで戻って来るのでそのついでに持ってきてくださった。2時間ぶりにウェストポーチと再会を果たすことができた。おかげでその後の予定には何の支障もなかった。これは本当に運の良いことだった。もう少し連絡が遅ければ営業所は無人になり翌日まで連絡は取れなくなっていたそうだ。私は何度も頭を下げて網走バスターミナルを後にした。持ち物はできるだけ身につけておくか、ひとつにまとめたほうが良い。下車する前に荷物の確認をもう一度しておきましょう。

 

【3】 目が覚めたら「ここはどこ?」

列車の中というのは居眠りを誘発しやすい。長時間乗車しているとついまどろんでウトウトしてしまう。でも不思議なことに目的の駅が近づくと急に目が覚めてちゃんと降りることができる。しかし、いつもうまく行くとは限らない。

2000年9月に牟岐線・高徳線乗りつぶしに出かけたときのこと。フェリーで午前4時20分に甲浦に到着し、阿佐海岸鉄道の始発列車に乗り込んだ。あまり睡眠がとれず、また、早朝から動いていたので道中しばしば睡魔に襲われた。それでも予定通り高松まで到着し、土讃線・阿波池田行きの普通列車に乗り換えた。次は琴平駅で下車して琴電に乗りかえなければならない。駅弁を買い込んで車内で昼食としたのだが、腹がふくれると眠たくなるのが道理というもの。多度津を過ぎてから記憶を失った。目が覚めると列車は田んぼが広がる中を淡々と走りつづけていた。時計を見ると琴平到着時刻をわずかに過ぎている。やってもうた!寝過ごしてしまった。やむを得ず次の塩入駅で下車した。幸い20分ほどで次の上り列車が来たので予定の狂いは最小で済んだ。居眠りを防ぐのは難しいですが、ガムを噛んだりして眠気を覚ますか、危ないと思ったらあらかじめ時計や携帯電話のアラームをセットしておいたほうが良いでしょう。

 

【4】 指定席、取らなきゃよかった

出張で福岡へ行った時のこと。その出張は簡単な作業だったので日帰りの予定だった。いつもなら指定席券など買わないのに、そのときはどういう風の吹き回しか往復の新幹線の指定席特急券を購入しておいた。そういうときに限って予定は狂うもので、一日では作業は終わらず博多で宿泊する羽目になった。指定列車に乗ることができず指定席券の変更も間に合わなかったので当然特急券は無効となり、翌日特急券を買い直さざるを得なくなった。冷静に考えれば混雑する時期でもなかったのだから、あえて事前に指定席券を購入しておく必要はなかった。東海道新幹線の場合は買っておいたほうが良い時もあるが、山陽新幹線ではたいてい座れるのだから。

 

【5】 駅弁売り切れ!?

鉄道旅行の楽しみのひとつに駅弁があります。少々お値段が高いのですが、小さなお弁当の中にその土地の名物が折り込まれていて、開ける瞬間は何が入っているのかとわくわくします。大阪発青森行きの特急日本海3号に乗車すると、6時58分着の酒田駅で駅弁にあり付くことができます。ホームに弁当売りが立っているのですが、わずか2分の停車時間しかないので殺到する乗客全員に弁当が行き渡ることはありません。その代わり車内販売が乗りこんできて弁当を売ってくれるのですが、これも数に限りがあって早々に売り切れてしまうようです。私は過去2回、日本海3号に乗車して1勝1敗。駅弁を買えなかったときは、非常食のカロリーメイトで飢えをしのぎました。列車が立ち往生することも想定して非常食を用意しておいたほうがいいでしょう。

逆に、思わぬところで駅弁を売っていて面食らったことがあります。札幌から特急おおぞら13号に乗車して早朝釧路に到着し、根室行きの列車に乗り換えた。釧路では早朝のため駅弁を買えないと思い、札幌で朝食用のパンを買っておいた。そのパンを食べ終えた頃に、「次の厚岸駅では駅弁を販売しています」という車内放送が流れた。「ラッキー!」と思ったが、その時にはすでにパンで満たされて食欲が失せてしまい、厚岸名物のかきめしには手を伸ばせなかった。こういう悲劇を防ぐ方法があるのかわかりませんが、最低でも時刻表欄外の駅弁情報などで駅弁販売駅を調べておくべきでしょう。

もうひとつ。宮崎空港から小倉まで特急にちりんに乗車したときのこと。長距離運転なので当然車内販売があるものと思っていたらそれがなかった。非常食も用意していなかったので、空腹に耐えかねてお土産にと買っておいた菓子の包みを開けたこともあります。乗りつぶしを目指しているときはどうしても同じ列車に長時間乗車することが多くなります。途中駅で停車中に売店や駅前のお店へ走って食料を調達できる場合もありますが、万一に備えて非常食とできれば飲み物も用意しておいたほうが良いでしょう。最近では普通列車の車内にも自動販売機が取り付けられていることがありますが、数はまだ少ないです。

 

【6】 車両故障で立ち往生

廃止直前の碓氷峠を訪れた帰り道、長野から当時はまだ客車編成だった急行ちくまに乗車した。発車後すぐに眠りに落ちて、次に目が覚めると外は明るくなっていた。列車は駅でもないのに停車していた。「信号待ちかな?」と思ったのだが一向に動き出す気配がない。名古屋に到着するはずの時刻を過ぎているので、どうやらまだ名古屋の手前らしい。しばらくして車内放送が入り、機関車故障のため救援の機関車が来るのを待っているという内容の説明があった。私のその日の予定は家に帰るだけで特に急ぐ用事がなかったので気長に待つこともできたが、他の多数の乗客は何らかの用事があるわけで(用事もないのに列車に乗るのは鉄道ファン位のものでしょう)、巡回してきた車掌に詰め寄る人もいた。故障はやむを得ないとしてもその後の説明が不充分であった。列車はいつ動き出すのか、どこかで下車させてもらえるのか見通しが何もわからず、乗客のイライラは募る一方であった。

結局、列車は一つ前の駅までバックして留置線で待たされ、通勤電車数本を先行させてからようやく出発した。名古屋到着は8時頃だったから、定刻通りならとっくに大阪に着いているはずの時間であった。救済処置として新幹線への振り替えの取り扱いがされたが、ちくまは大阪まで運転するようなので私もそれに付き合うことにした。

地震や台風などの天災や車両故障、事故など突発的な要因で列車が遅れたり運休したりすることはよくあります。地震や事故は予知できませんが、台風や豪雨は事前に動きがわかりますからそういうときは出かけないのが得策です。仕事などでやむをえない場合もあるでしょうが、できるだけ余裕を持って旅行計画を立てるように心がけましょう。(なかなか難しいですが・・・)

 

【7】 土曜・休日・休校日ダイヤ

時刻表には列車の運転日に関して、【土曜・休日運転】、【休日運休】、◆(運転日注意)などいろいろな条件が記載されている。それらを読み分けて自分が必要とする情報を抜き出すのであるが、時々うっかりこれらの条件を見過ごしてしまうことがある。2000年8月の月曜日に武豊線に乗車したとき、事前にメモしておいた時刻が休日運転のもので焦ったことがある。日曜日に乗車する予定だったのが一日ずれてしまい、そのままメモを見直さなかったのが原因である。このときは平日ダイヤと休日ダイヤの違いが大きくなかったので特に影響はなかったが、閑散路線であれば命取りになるところである。それと路線バスで多いのが休校日運休というヤツで、休日、休校日は極端に運転本数が減る。これらの便を利用するときは注意しなければならない。

 

私の失敗談、体験談はこんなところです。他の失敗談を思い出したり新たにやってしまったときは追加いたします!