おすすめ度 | ★★★(超おすすめ!) |
訪問日 | 1998年8月12日 |
訪問記 | 北海道らしい景色といってまず思い浮かぶのは、釧路湿原内を蛇行する川の様子ではないでしょうか。私が初めて北海道を訪れるに当たって、絶対行きたいと思ったのがその釧路湿原です。できるならキャンプでもしてゆっくり大自然を味わいたいところですが、駆け足の旅のためつまみ食い程度の時間しか取れません。そんな私を含め、せっかちな旅行者にお勧めなのが「釧路湿原ノロッコ号」です! 朝一番のノロッコ号は釧路駅を6:54に発車します。早起きが苦手な人は釧路5:50着の特急おおぞら13号から乗り継ぐプランを立てると良いでしょう。ノロッコ号は3両編成で一部指定席となっています。網走方の1両は普通の51形客車で後ろ2両が眺望を良くした改造車です。 釧路のビジネスホテルに宿泊し、早起きして釧路駅へ。やはりおおぞら13号からの客が多いのか、ノロッコ号の後ろ2両の改造車はすでに席が埋まっていて、指定席券など持っているはずもない私は1両目・自由席の51形客車に乗り込んだ。そのかわり進行方向左側の湿原に面する方の座席を確保できた。車内では乗車記念のしおりが配られ、観光気分が高まる。 定刻に発車。次の東釧路までは市街地の中であり、その次の遠矢までは国道391号線が並行していて湿原とは無縁である。よってノロッコ号もビューポイントまで軽快に走ってゆく。最初のポイントは釧路川と旧釧路川が分岐する岩保木水門で、そこからいよいよ湿原に接近していく。さあこれからと思っていると、もう釧路湿原駅に到着(7:19)。半分くらいの乗客がここで下車した。私は唐路まで行って折り返すつもりだったので車内に居残る。釧路湿原駅を出ると線路が釧路川にぴったり寄り添う。最も川に近づいたところでサービス停車までしてくれた。列車は湿原をじっくり観賞できるようにゆっくりと歩を進めていく。 塘路着、7:32。列車をバックに記念撮影にいそしむ家族連れを後目に、駅の外へ。塘路駅はまだ新しいログハウス風の小さな駅舎で、観光案内所を兼ねているようだった。また、レンタサイクルの受付もあり、時間に余裕があれば近隣の唐路湖やシラルトロ湖へサイクリングに出かけるのもおもしろそうだったが、私は時間の都合で断念。8:04発釧路行きノロッコ号に乗り込んだ。先ほど一緒にやってきた乗客たちもほとんどが元の列車へと戻っていった。 先ほど通った道を戻っていく。川が流れていて、湿地が広がっているだけなのに、眺めているととても落ち着く。いつまでも眺めていたいくらいだが、列車は釧路湿原駅に到着した。列車から降りる人々、列車に乗り込む人々で狭いホームはごった返した。釧網本線で乗降客数が最も多いのはこの駅ではないかと思う。 列車を降りて細岡展望台を目指す。階段が続く近道コースと緩やかな坂道の迂回コースがあるとの案内が出ていたので、迷わず近道コースを登る。10分ほどで展望台に到着。曇り空が視界をやや妨げたが、広大な湿原が180度展開されていた。眼下に釧路川が流れていて、例の蛇行している姿が見えた。人工物がない、広大な陸地を初めて見たような気がする。昔と変わらない景色が広がっているのかと思うと、景色の広がりと時間の広がりの両方に圧倒される。 今回見たのは広い湿原のほんの一角にすぎないわけで、次があるのならば違う視点から、たとえば湖や川の畔を歩いたりあるいはカヌーで釧路川を下ってみたい。めずらしくそんなことを考えてしまったくらい素晴らしい世界であった。 |
おすすめの ポイント |
今や湿原観光の定番といえるノロッコ号での往復と細岡展望台からの眺望で、手軽に短時間で釧路湿原の絶景を拝むことができます。 |
データ | 【釧路湿原ノロッコ号】 下記の説明を参照してください。 |
駅周辺の様子 | 【釧路湿原駅】 売店はもちろん自動販売機もありませんので、飲み物や弁当は釧路駅で買っておきましょう。当然、ゴミはお持ち帰りください。 【塘路駅】 |
その他の情報 (観光情報) |
【細岡展望台】 下記の説明を参照してください。 【熱気球で空中散歩】 【釧網本線の車窓風景】 |
唐路駅に停車中のノロッコ号 緑色の専用塗色をまとったDE10機関車と客車3両の編成です。湿原を身近に感じることができるように窓を大型化し、開放できるようになっている。日本一の鈍足を誇り、釧路−塘路間 27.2kmを45分程度かけて走破します。 車内では乗客全員に乗車記念のしおりが配られ、グッズの販売コーナーも営業しています。 |
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釧路湿原駅・全景 臨時駅として開業したものの、湿原訪問者の増加に対応して通年営業となった。大観望・細岡展望台の最寄り駅であるためシーズン中は盛況のようである。 |
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大観望・細岡展望台 釧路湿原駅から坂道を登ること10分で、大観望とも称される細岡展望台へたどり着きます。展望台と言っても売店などはありませんので、夏場は飲み物を持参したほうが良いでしょう。 この写真では見えにくいですが、ここから蛇行する釧路川を見下ろすことができます。晴れていれば広大な湿原の端から端まで見渡すことができるでしょう。 |